アクロニス・ジャパン代表 川崎哲郎氏に聞く(1)
企業防衛はセキュリティ視点からサイバープロテクション視点へ

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取材・構成  土田 修
IT批評編集部

サン・マイクロシステムズでハイタッチセールスの営業部隊をつくる

次にミップス・コンピュータシステムズ(MIPS)というところに移りました。MIPSという会社はファブレスのマイクロプロセッサーのアーキテクチャーを販売する会社で、同時にシステム事業もやっていました。日本のメーカーさんもワークステーションの製品群を持っていた時期があったのですが、そういうところにマイクロプロセッサーを提供していました。あとはソニーのプレイステーション、プレイステーション2やNINTENDO64のCPUのアーキテクチャーを供給していたような会社ですね。そこで約2年間勤めました。ファブレスメーカーですから、今でいうARM(Advanced RISC Machines)みたいなビジネスモデルです。半導体の製造ラインは持たずにアーキテクチャーだけを開発して、それをプロセスできる会社に販売する。国内でいうとNEC、東芝、ソニーというのがいわゆるライセンス供給先でした。

その後、サン・マイクロシステムズに移りました。ちょうどサン・マイクロシステムズがハイタッチセールスの営業部隊をつくるタイミングでした。当時はチャネル販売が基本であり、直接エンドユーザーと契約することはありませんでした。パートナーと一緒にエンドユーザーのところに赴いて、エバンジャライズして商談を進めていく営業部隊をつくったのです。

当時のサン・マイクロシステムズは、ワークステーションというカテゴリーにおいてはデファクトスタンダードだったのですが、どうしてもサーバーの市場に打って出たかった。ハイタッチの営業部隊をつくって、日本の名だたるトップ企業に対してアプローチをかけて、事業拡大を目指していました。

ハイタッチセールスは、いわば顧客に対する啓蒙活動と言っていいでしょう。間接販売なので必ずパートナーを通して販売するのですが、顧客に直接タッチをして、企業が持っているコンセプトであったりソリューションであったりをアピールする組織です。今では当たり前ですが、当時はわりと画期的な試みだったと思います。

サン・マイクロシステムズでは、スタートアップ企業を取り込もうということも行っていました。渋谷ビットバレーが盛り上がっていた頃です。従業員数や設立年数でフィルターをかけて、そこに該当する企業に片っ端からアプローチしていきました。そうした企業に対して、サン・マイクロシステムズが持っていたテクノロジーを採用してもらうのです。2年間で200社のスタートアップ企業と契約することができました。そこから上場した企業も10社以上出てきました。企業が成長していくに従って、当時はまだクラウドがない時代ですから、インフラ投資がどんどん必要になります。その中でもファーストユーザーとなった大手Eコマース企業は、数年後にはそれこそ2ケタ億の取引をしていただけるまでになりました。

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