配達に関する自動運転ロボットの実用化とその未来
第2回 持続可能な物流と地域生活の質の向上を目指す

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著者 吉田メグミ
フリーライター。パソコン誌などの紙媒体、企業オウンドメディアや WEB マガジンなどの WEB 媒体での記事作成を広く手がける。Autodesk Design&Make編集・執筆・海外記事のローカライズ担当。ココカラ編集室代表。

自動配送ロボットの社会実装に向けたロードマップ

経済産業省は、自動配送ロボットの社会実装に向けたロードマップを策定した。この取り組みは、深刻化する物流分野の人手不足や、地方を中心とした買い物弱者の増加といった社会課題の解決を主眼として、ロボットによる無人配送を現実のものとし、ラストワンマイル配送の新たな手段として確立することで、持続可能な物流と地域生活の質の向上を目指すものだ。

このロードマップでは、2024年度からの3年間を「集中的な実証実験期間」と位置づけている。この期間においては、産業界各者による実証事業を積み重ね、実装に必要な技術仕様、安全性、運用ルール等に関する知見を蓄積するとともに、現場での課題を明らかにし、改善を図ることが求められている。また、これらの知見は関係省庁や自治体、研究機関等と共有され、社会実装に必要な制度整備や法令の見直しに繋げられる予定だという。

さらに、同省はユースケースの明確化にも重点を置いている。個人宅向けの宅配、商業施設やマンション内の移動販売、あるいは事業者間での定時・定ルート配送など、様々な活用シーンを想定し、それぞれのニーズに適したロボット仕様・運用方法の確立を目指している。特に、中速・中型ロボットについては、公道上での走行を前提とし、軽自動車よりも小型で、時速20km程度の速度で走行しながら既存の交通と共存できることが前提条件とされている。経済産業省が策定した自動配送ロボットの社会実装に向けたロードマップは、産業界、官公庁、地域社会が連携しながら、段階的かつ現実的に導入を進めるための道筋を示すものとなった。

日本のラストワンマイル配送の自動化、ロボット利用に対する政策は、他国から遅れをとっているが、今後、実証から制度設計、そして本格的な運用へとつながるプロセスの中で、物流・生活インフラの変革が進むことに期待したい。

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