開かれたマイニングマシンの可能性
GPUマシンNo.1企業ゼロフィールドのトップに訊く(1)

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聞き手 桐原 永叔
IT批評編集部

ソフトウェアの文化でハードウェアをつくる

マイニングマシンをつくるうえで、ブロックチェーン技術はどのくらい重要なんですか。

平嶋 マシンをつくることに関しては、ブロックチェーンの理解は必要ないです。一般的なパソコンといちばん違うところは、マイニングマシンは24時間365日使うものになるということ。そこで求められる機能がどういうものかというのは、やっていくなかで知見を貯めていくしかありませんでした。通常だと問題ない繋ぎ方でも、マイニングでやるとケーブルが溶けてしまうことがあるんですね。あるいは今だと、当たり前にGPUをたくさんつけていますけど、昔はOSの認識限界の近くまで行くと、エラーが出たりとかしていました。技術体系がない世界なので、トラブルシューティングも含めて、コミュニティの中で情報交換しながら解決することが多かったです。パーツごとに耐久性が安定するものを手探りで探していた状態ですね。

パーツもマイニングに適したものを使わないといけないですね。

平嶋 そうですね。だからといって、闇雲に高価なパーツを選ぶということではないんです。初期コストがかかりすぎるとお客様の収益率も下がってしまいますから、2、3年で壊れる可能性はあっても、3分の1から5分の1の価格で購入できるパーツがあるなら、そちらを選択します。     

そのほうがお客様にもメリットがあるということですね。

平嶋 マイニングの場合、一般のサーバと違ってマシンの稼働が止まったからといっても、その前後の段階に影響を与えるものではありません。

サーバだと1回止まると、インシデントになって、それ自体の価値があるのかみたいな深刻な話になりますね。

平嶋 マイニングの場合、一瞬でもマシンが止まらないようにマシンやデータセンターのコストを10%増やすより、たとえば1年に3日止まっても収益が1%減るだけなので、そのほうがコストパフォーマンスが高いと言えます。

絶対に壊れないものをつくろうとすると、むしろ高くつくということですね。

平嶋 そういう意味で言うと、パーツも数千円のものから数万円のものまでいろいろ入っているので、高いパーツは壊さないようにして、数千円のものは壊れてもいいみたいなバランスを考えながらやっています。高いパーツに影響を与えるようなものはある程度品質の高いものにしておかないと、高いパーツも一緒に壊れるからしっかりしたものを使おうみたいなバランスですね。

そこはすごく面白いですね。80年代の電子立国と言われていた頃のものづくりの発想だと、本当に壊れないことを前提につくっていますけど、ITの人たちって、壊れること前提でモジュールの発想で、ダメだったら交換みたいな感じがします。それこそ日本が得意な車づくりはモジュールで発想してなくて全体調整ですよね。ちょっとでもおかしいところがあると全部壊れるから、全部完璧にするというのが尊ばれている。平嶋さんの場合は、ソフトウェアの文化でハードウェアをつくっている印象を持ちました。

ゼロフィールド社のマイニングマシンの内部

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