配達に関する自動運転ロボットの実用化とその未来
第1回 世界各地で実現し始めたロボット配送

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テキスト 吉田メグミ
フリーライター。パソコン誌などの紙媒体、企業オウンドメディアや WEB マガジンなどの WEB 媒体での記事作成を広く手がける。Autodesk Design&Make編集・執筆・海外記事のローカライズ担当。ココカラ編集室代表。

持続可能で倫理的なソリューション

いち早くラストワンマイル配送の自動化を実現したのはエストニアに本拠を置くStarship Technologiesだ。同社のロボットは、レーダー、カメラ、センサー、機械学習を組み合わせて周囲の環境を認識し、食品や食料品、工業用品などを自律的に配達する。

2024年2月、Starship Technologiesは9000万ドル(約90億円)の資金調達を行い、
累計調達額は2億3000万ドル(約230億円)に達した。​
この資金は、オンデマンドデリバリーの需要増加に対応し、持続可能で倫理的なソリューションを提供するために活用されている。 ​

同社のロボットは、現在、米国、英国、ドイツ、デンマーク、エストニア、フィンランドなど、世界100カ所で稼働しており、累計700万件以上の配達を完了している。​
これにより、ラストワンマイルの配送課題に対する革新的な解決策を提供している。 ​

2024年10月には、エストニアのモビリティ企業Boltと提携し、エストニア国内でロボットによる食料品の自動配達サービスを開始した。​
このサービスでは、Starshipの自動走行ロボットを活用し、指定された場所へ無人で食料品を届ける。​顧客はスマートフォンアプリを通じて注文や追跡が可能だ。 ​

Starship Technologiesのロボットは、平均的な配達で紅茶1杯分のお湯を沸かすのと同程度のエネルギーしか消費せず、自動車走行を置き換えることで、約180万kgの二酸化炭素排出量を削減している。​
また、Bolt、Co-Op、Grubhubなどの企業と提携し、従業員に公正な賃金と安全な労働環境を提供するなど、倫理的な慣行も重視している。 ​

同社のロボットは、大学キャンパス内でも活躍しており、2024年8月には米国の複数の大学にサービスを拡大した。​
学生や教職員は、スマートフォンアプリを通じて食事や物品の注文・受け取りが可能となり、キャンパス内での移動時間の短縮や利便性の向上に寄与。 ​
今後も自律走行型配送ロボットの技術向上とサービスエリアの拡大を進め、持続可能で効率的な配送ソリューションを提供し続けることが期待されている。

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