AIが拡げる生命科学の可能性─藤田医科大学教授・八代嘉美氏に聞く
第3回 研究開発と臨床、医療と社会実装を架橋する
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2025.04.02
聞き手
都築 正明
IT批評編集部
再生医療の拠点を担うコンセプト・メイク
大学院を修了されてからは、どのような職歴を辿られたのでしょう。
八代 はじめは慶應義塾大学の岡野栄之先生の研究室で特任助教を勤めました。その後、東京女子医科大学の大和雅之先生に呼んでいただいて特任講師として異動して、慶應義塾大学で幹細胞のデータベース構築をやったあとに、2013年からCiRA(京都大学iPS細胞研究所)へ移りました。
先生が 藤田医科大学と慶應義塾大学でされているお仕事について教えてください。
八代 私は再生医療領域を研究しています。藤田医科大学の本部は愛知県にありますが、2023年の10月末に東京都大田区羽田に藤田医科大学東京先端医療研究センターを開設しました。インバウンド客を対象に自由診療の高度な検診を提供すると同時に、再生医療や生殖医療などの新しい医療の研究や実践を行う拠点となっています。一方で、慶應義塾大学のキャンパスがある殿町には国立医薬品食品衛生研究所やバイオサイエンス系の企業が集まっていて、新しい医療技術、特に再生医療や細胞治療の研究をする集積拠点になっていましたが、臨床研究を行うには少し遠方の病院に行く必要がありました。
多摩川をはさんで、それぞれ向かい合わせになっている地域ですね。
八代 2022年に多摩川スカイブリッジが開通して、羽田と殿町とが橋で結ばれました。そこで、橋の両端で産業と医療とを担い、再生細胞治療の有効性や効率性の研究開発と実践をする拠点としようという構想が生まれました。私は橋渡し研究支援人材統合教育・育成センター教授として、慶應義塾大学殿町先端研究教育連携スクエア特任教授を兼務しつつ、このコンセプトの構築と実務を行っています。
