AIとミュージシャンとの合作で生まれる新しい音楽
東京都市大学教授 大谷紀子氏に聞く 第2回
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2024.09.24
聞き手
都築 正明
IT批評編集部
社員の声をあつめて企業のサウンドロゴを制作
AIで、サウンドロゴも制作されてますよね。
大谷 フコク生命の100周年記念事業ということで、広告代理店から依頼がありました。音声のサンプルを採る期間が1週間しかありませんでしたが、160も集まって驚きました。私たちのシステムでは、音響のデータをそのまま入力するのではなく、楽譜の情報を入力します。ですから、サンプルデータをすべて採譜しなければなりません。耳コピができる学生が担当したのですが、夏休みの5日間ぐらいを費やしてもらうことになってしまいました。
社長が話したものも若手社員が歌ったものも、公平にマージされるのですか。
大谷 そこは重みづけをせずに長調のもの3案と短調のもの2案を生成し、100周年記念事業メンバーの方10人に選んでいただきました。5段階評価で選んだ結果と、最適だと思ったものを1つずつ選んだ結果とで選考したのですが、いずれも5番目のもの(図参照)が好評でした。

短調で速いテンポのものが選ばれたのが、少し意外ですね。
大谷 ほとんどのサウンドロゴは長調です。感想として「いままでのフコク生命らしくない」「攻めている感じがよい」などの声がありました。フコク生命は老舗で個人の顧客が少ない堅い会社なのですが、そのイメージを変えたいと思っている社員の方が多かったのかもしれません。社外の方の意見を聞いてみると、長調のものの評価が高かったです。その意味では、社員の気持ちを汲んだものができたかと思います。