日本が真の生成AI時代を迎えるための条件
GPUマシンNo.1企業ゼロフィールドのトップに訊く(2)

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聞き手 桐原 永叔
IT批評編集長

「AIだから間違えないはず」という幻想を捨てない限りAI活用はできない

生成AIが個人の道具化して、AIが本当に民主化したときが変化の時代だろうと思っています。パソコンもITも興味がない人は多かったと思いますが、便利だから普及した。使っているうちに、とんでもない使い方をすることでイノベーションが起きたりもします。AIはまだそこまでは行ってないですね。想像の範囲内というか、新しいテクノロジーの範囲内にいます。

平嶋 そこは一般の人のAIやシステムに対する認識が変わってこないと、結構厳しいのかなって気はしています。先ほど、パソコンのパーツは壊れるもんだみたいな話をしましたけど、銀行のシステムが止まると、とんでもないことだと怒る人たちがいて、そういう人たちに、多分生成AIは使えないでしょう。普通のシステムだって、バグがあるのが当たり前ですから、生成AIなんてもっと間違う確率が高いわけです。AIだから間違えないはずだみたいな幻想を捨てない限りは、活用できないのかなと思います。

AIは間違うから使わないと考えたら何もできなくなります。

平嶋 そうですね。じゃあ、お前は間違えないのかっていうと、間違えますよね。そうしたら、お前は使えないなって話になってしまいます。

アメリカのマイニング業者は、2020年ぐらいから、AI用のGPUサーバの準備を始めていたと聞きましたが。

平嶋 そういうニーズがアメリカであると知って、うちもいろいろ動いていました。ただ、やってみて思ったのは、日本はどうしてもAIをつくっている人が少ないので、なかなかニーズを探しきれなかったという部分はあります。AIをつくっているエンジニアの数がアメリカに比べるともう全然少ないんだろうなと。

なるほど、そこはしっかり現実を見ていかなければいけませんね。

平嶋 もう一つ気がかりなのは、日本の企業がデータに価値を感じていないことです。海外の企業はデータの管理をとても重要視しています。データを自社で管理することにお金をしっかり払っていたりするんですが、日本の企業はそこにあんまり価値を感じていない。たとえば、ChatGPTも、なんかデータを外に出すのは怖いからやめとこうみたいな考えがある一方で、そもそもそのデータは本当に自分たちで管理できているのか疑問なところがあります。

むやみに怖がっている割にはデータの管理ができていないと。

平嶋 本当に機微なデータは社内でしっかり持っておくけれど、それほどでもない情報はクラウドに載っけた方が業務上効率いいよねみたいなところの、データに対する認識がしっかりできてくると、独自のAIが欲しいとか、オンプレが欲しいというニーズが出てくるかなという気はしています。

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