経済学者・井上智洋氏インタビュー(3)
「頭脳資本主義」の時代をいかに生きるか?
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2021.05.21
聞き手
桐原 永叔
IT批評編集長
ディープラーニングの“人間力”: 匠の暗黙知はAIが継承する
桐原 そのあたりの話は、今の若い人たちはテクノロジーが社会を変えつつあるという実感を持っているので、すんなりと理解できるでしょうね。むしろ40代50代は未だに人間力が大事だとか言いがちです。
井上 そうですね。面白いのは、60代70代で、これ一筋でやってきましたみたいな職人さんなんかは、そのまま引退してしまうと経験が継承されないので、それをデータ化してAIに再現させようという動きがいろんな業種で課題になっています。
桐原 面白いですね。これまでデータ化が不可能とされてきた彼らの持つ暗黙知がディープラーニングによって継承可能になったということですね。
井上 理屈ではなく直感でやっていた匠の技を人が習得しようとしたら何十年もかかるわけですから、AIが再現できるようになったのはすごいことで、まさにディープラーニングのおかげです。
桐原 NHK特集で将棋の羽生さんがアルファ碁の生みの親であるデミス・ハサビスと対談したときに、「将棋でいう直感やひらめきをAIは再現できないと思っていたけど、ディープラーニングは同じことをやっているような気がする」とおっしゃっていました。
