生成AIはメディア制作にどう影響を与えているのか
第3回 生成AIをライターの強力な相棒にするために
事実確認を伴うコンテンツ作成では、生成AIの回答を鵜呑みにせず、何度も問い直すことが重要だ。ライターにとっては初期の相談相手、資料整理、下書きチェックなどで生成AIは強力なパートナーになるが、最終的な原稿は自身で作成し、信頼性を担保する必要がある。
目次
プロンプトは重要
「IT批評」でmixi2の話を書いた際に、初期のmixiがはじめてスマートフォンに対応したのはいつだったっけ、と気軽にAIに尋ねたら、2010年という答えが返ってきた。
mixiがスマートフォンに対応したのは、段階的に進められました。大きく分けて、スマートフォン向けサイトの提供開始と、スマートフォンアプリの提供開始の2つの段階があります。
スマートフォン向けサイト「mixi Touch」の提供開始: 2010年9月10日
Androidアプリの提供開始: 2010年12月24日
iPhoneアプリの提供開始: 正確な日付は不明ですが、Androidアプリと同時期か、その後間もなく提供開始されたと考えられます。
おお、そうだったか、と記事に載せるために昔iPhoneでとったスクリーンショットを探したら、2008年のものが見つかったのである。違うじゃん。
ちなみに、mixiがiPhoneに対応したのはいつ? とより具体的に尋ねるとちゃんと2008年と返ってくる。プロンプトは重要である。
ライターは積極的に生成AIを利用すべきである
重要なのは、コンテンツ作成に生成AIを活用するとき、ファクトが絡むときは十二分に注意しなければならないということと、生成AIが提供する情報をベースに書かれた記事にはこのような間違いが潜むことが考えられるので注意しなきゃいけないということ。
生成AIは確率的につながりが深いものを引っ張り出してくるので、必要な情報が少ないと、つながりが弱くてもそれを「ありそうな答え」として引っ張り出してしまう。
あまり知られてない専門性が高い事象については間違った情報を出すことがあり、利用者が生成AIについて多少でも理解していないと、自信たっぷりに語るAIに引っ張られがちなのだ。
ありきたりにまとめれば、生成AIを「低コストで楽をして大量のコンテンツを生み出す」ために使うと信頼性を落とすだけですよということだ。
ではどう使うか。
他の人がどう使っているかはわからないが、とりあえず3つの段階で最強の相手となってくれている。
ひとつめは初期の相談相手として。
チャット形式という対話型AIで登場したおかげで、ものすごく気軽に使える。
考えがまとまってないふんわりした段階で適当に普段使ってるような言葉で投げかけてもそれなりにあれこれ予想して返してくれるのでとっかかりになり、そこからより具体的なやりとりに移行していけば、より正確な内容に近づいていく。
会話の流れをある程度覚えていてくれるので、以前のやりとりをつなぐ形で展開を変えたり、尋ね直したりできるし、得た情報をより深く突っ込みたいときは焦点をしぼって聞き直せばいい。
得意なのは資料を簡潔にまとめることなので、必要な資料があれば、それを読んでざっくりまとめてもらってから、深く読むべきところを見つけてそこにあたるようにすると、長い資料を頭から読まなくてすむ。
Adobe AcrobatなどPDF用アプリもAIへの対応が進んでいるし、PDFを読み込んでその内容を解釈してくれるサービスもある。
取材が多い人にとってはすでに必須のものだ。
音声データを食べさせてテキストにおこすのみならず、それを要約してくれるのだ。これはすこぶるありがたい。
どの生成AIアプリケーションがおすすめかは、人によってジャンルも要求したいことも変わってくるので、コストも考えてあれこれ試してみるのが一番いいかと思う。
下準備ができたら実際に書くわけだが……そこは、わたしならときどき相談するくらいでテキストは自分で書く。そうしないと自分の文章にならない。
メディアに署名原稿として載せる場合とそうじゃない場合では変わってくるだろうから、そこはお好きに、だ。
そして書き上がったら、下書きくらいの段階でチェックして貰うのがいい。
Microsoft 365はcopilotを融合した(そしてちょっと価格が上がった)。WORDで書いているなら(わたしはエディタで書いているのでそれをWORDにコピペするのだけど)、そこでcopilotに要約してもらったりアドバイスをしてもらうことができる。
ここは具体的にこうした方がいい、とかね。これの下書きをチェックして貰ったら、結論部分で論旨を強化するといい、的なことをいわれた。ふむ。確かに。

WORD上でcopilotに下書きをチェックして貰ったときの図