勅使川原 真衣氏に聞く
第5回 個人を測る新たな指標とは? 能力主義からの脱却
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2024.12.27
聞き手
桐原 永叔
IT批評編集長
能力主義が余暇もプライベートも覆っている
仕事の外に目をやると、能力主義では測られないコミュニティがあります。親の介護であるとか、子育てであるとか、地域の共同体って、相手がいてままならないですよね。親がいたり子供がいたり厄介な隣人がいたりという、そういう経験が能力主義とは違う想像力を培うみたいなことってないですか。
勅使川原 すごくあると思います。想像力を培う場になると思います。存在そのものを受け入れてもらえるコミュニティをどこかに持っておくのは大事ですよね。ただ懸念しているのは、企業中心社会、労働中心社会なので、仕事で頑張って余白を持てた人だけに余暇があるとかなってしまうともったいないなと思っています。
芸術とかスポーツとか遊びとかが勝手気ままな想像力を養う場であってほしいのに、妙に功利主義的にこれがビジネスに役立つとか、すぐ言いがちですね。
勅使川原 本当にそうですね。
エリートはアートが好きみたいに言われちゃうと、気休めがなくなっちゃうなと思って。
勅使川原 今は偉くならないと忙しさから解放されないので、この社会的な序列のままだと本当に辛いです。変な話で、子どもの少年野球なんかにコミットできる人って、超ホワイト大企業の人とかなんですよ。わたしとか無力ですよ。フリーランスですから。仕事は仕事だけの話という風になればまだいいんですけど、仕事が余暇も侵食している、プライベートも覆っているという社会においては、能力主義は本当に根深い問題です。