NTTテクノクロス・大野 健彦氏に聞く
第3回 データ至上主義から人とAIの協働へ
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2024.11.20
聞き手
桐原 永叔
IT批評編集長
AIは人間側のスキルとの組み合わせでしか活きない
桐原 データがどこに眠っているかっていうと、日本はそれこそ製造業も含めて現場に相当いろんなデータが残っています。生成AIが出てきたことで、現場にあるデータ活用がエンパワーされると想像していたのですが。
大野 実は、「データだけ取ってどうするの?」というのが今の私の実感です。
桐原 そのままでは活用できないということですか。
大野 AIは、人間側のスキルとの組み合わせでしか活きないと考えています。そうなると、「じゃあ人間はそもそも何を考えているんだっけ?」という話になって、人間のナレッジとかスキルをもう1回ちゃんと、「勘どころ集」みたいなかたちで、暗黙知を形式知にしていく作業が必要だと思っています。それをデータと組み合わせることで、効率化を図っていくアプローチが正解なんじゃないかなと思います。
桐原 おっしゃる通りですね。AIのことを取材していると、やはり一足飛びに人間の行為がAIに置き換えられるわけではなくて、AIとどう共存するのか、あるいはAIにどうサポートしてもらうのかみたいなことを研究テーマにされている方が多い印象です。よく似ていますね。
インダストリー4.0:ドイツ政府が2011年に発表した産業政策。和訳すると「第4次産業革命」。製造業においてIT技術を取り入れ、改革することを目指す。中核となるコンセプトは「スマートファクトリー」。センサーによりデータを適切に把握することで、人間の指示がなくても自律的に機械が判断し、最適なオペレーションを実施することが可能となることを目指している。