半導体のカーテン、コンピューティングパワーの天井
技術、経済、地政学から現在の論点をみる
第2回 半導体市場の覇権をめぐり鎬を削るプレイヤーたち

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テキスト 桐原 永叔
IT批評編集長

半導体関連銘柄企業のどれかがちょっとしたイノベーションを起こしてシェアを伸ばせば、時流にのって株価を急伸させる可能性は高い。投資家ならずとも気になるのは当然だろう。生成AIブームによってもっとも時価総額を上げたのが、ChatGPTを開発したOpenAIでもなく出資していたマイクロソフトでもなく、NVIDIAだったという事例は、ゴールドラッシュでいちばん儲けたのはツルハシを売る商人だったという話を思い出させ、わたしたちは現代のツルハシを探したのだ。ひとつにはそれはGPUだったわけだが、それ以外にもツルハシとなるものがある。みながそれを探しているのだ。
経済の面で、もっと重要なのは前回の記事でも長々と触れた日本経済の復活の最重要ポイントが半導体にあることだ。
電子立国の夢が敗れ早数十年、NVIDIA、AMD、Intelといったアメリカ企業、サムスン、SKハイニックスという韓国企業、ひときわ注目を集める台湾のTSMC、EUVといわれる微細な紫外線を操る露光装置のシェアを一手に握るオランダのASMLなどなどに囲まれ、日本企業のポジションは決して高くない。
とはいっても、国ごとに代表的な企業名を上げただけでは半導体関連のメインプレイヤーの概要を掴むには足りない。

 

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