〈生成AI時代〉人とAIが共創する新しい働き方
IT批評主催オンラインセミナー ディスカッションレポート(1)

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構成  IT批評編集部

生成AIはAIに知見がなかった人こそエンパワーする

 

桐原 馬場先生が開発されたAIによるファシリテーションソフトを見るにつけ、これまで先端テクノロジーに馴染みがなかった人ほど、今回の生成AIブームによってエンパワーされるというか恩恵を受ける機会も増えていくのかなと思っているのですが、いかがですか。

 

馬場 本当にそこは大きいと思います。先ほど田村さんがおっしゃられたように、誰でも触れるからこそ、誰かが使っているって聞いたときに、じゃあ自分もちょっと試してみようとか、ある業界でこういう使い方しているんだったら、自分の業界だったらこういう使い方しようみたいなことが思いつきやすいですよね。しかも安価で使えるということが重要で、AIに知見がなかった人こそ受けとれる恩恵は大きいんじゃないかなと思います。

 

桐原 小村さんにお伺いしたいのですが、GUGA(一般社団法人生成AI活用普及協会)さんとお付き合いのある法人には、業種に偏りがあったりしますか。

 

小村 もちろんAIに対する親和性の高さから、例えばGUGAが提供する資格試験「生成AIパスポート」の受験者はIT業界の方が比較的に多いのですが、全体を見ると製造、金融、教育業界の方々も数百人単位で受けていたりするので、業界問わずと言っていいのかなと思います。もうすべてのビジネスパーソンがAIをアシスタントとしてそばに置いておける、アクセスしやすくなったという状況なので、業種の垣根は関係なくなってきていると感じています。

 

 

 

 

桐原 片渕さんの開発側の視点から言うと、お客さんで業種とか業界の偏りはありますか。

 

片渕 現状に限ったコストインパクトの大きさで言えば、製造業、出版業、印刷業のお客様は目立ちますけど、どの業種のお客様も、ChatGPTで何ができるのかはもう共通のプロトコルというか共通言語として理解しているので、会話をしていて業種ごとの差というのはあまり感じなくなっています。

 

桐原 田村さんに相談に来られるお客様はどんな感じなんですか。

 

田村 本当にさまざまですね。中小企業であるとか個人事業主の方が多いのですが、お店屋さんでも普通にChatGPTは使っておられますね。ただ、そこで課題として出てくるのは、テクノロジーに関する知識のあるなしではなく、テクノロジーとの接し方なんですね。ChatGPTから出力されたものに対して、1回で判断してしまいがちで、これはダメだって判断したらもう触らない人がたくさんいらっしゃると思うんですよ。いきなりドンピシャの正解はなかなか出てこないので、AIとの付き合い方に慣れてもらえば、もっと一般の方々の活用度も上がってくるのかなと思います。

 

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