mixiからはじまったSNSはどのような変遷を経てmixi2に至ったか
第4回 やがてTwitterがXになりmixi2がはじまった

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寄稿者 荻窪 圭
フリーライター。東京農工大学工学部数理情報工学科卒。学生時代にパソコン誌のライターとしてデビューして約40年。現在はIT系の他、デジタルカメラの記事も手がけつつ、趣味が嵩じて街歩きのガイドも行う。近著に『古地図で訪ねるあの頃の東京』(実業之日本社)等。

ゆるいコミュニケーションにはmixi2

おかげで、見知らぬ人から明後日の方向からのコメントを受けづらい。XやThreadsではよくそういうシーンを見て閉口するが、mixi2はある程度知っている人どうしのコミュニケーションを重視しているのだ。

一見、なんてことないシンプルなSNSだが、Xが肥大化したことを受けた設計になっていると感じる。

mixi株式会社によるリリースに、『巨大なユーザーネットワーク」を持つSNSは、レコメンドアルゴリズムに基づいた情報選別により「ニュースメディア化」が進み、日々の出来事を投稿したり、身近な友人や知人と交流することが難しくなっています。』とあった。

まさにその通りで、Xは情報収集や情報発信にはいいが、SNSの原点ともいえる、知人友人や、同じ趣味嗜好を持った人とオンラインでゆるくつながるサービスとは離れており、mixi2は原点回帰を目指したと思っていいかと思う。

逆に云えば、ポータルとして、あるいは情報収集にはXが、キラキラした写真や動画で承認欲求を満たすにはInstagramが、遊び場として楽しむにはTikTokが、ゆるいコミュニケーションにはmixi2がとなれば理想的なのだろう。

Xかmixi2か、ではなく、XはXで巨大SNSとしてチェックしつつ、mixi2は身近な人と気軽にやりとりするゆるいSNSとして静かに息づいていくという道であり、その「ゆるさ」が従来のmixiから受け継いでいるテイストであり、他のSNSにはない点といえよう。

気になるのはmixi2がどこまで広がるか。

従来のmixiは「mixiモバイル」をきっかけに10〜20代の若年層に大きく普及した。今のmixi2は従来のmixiを知る世代を中心に肥大化したSNSからの避難場所として飛び付いているようにみえる。

若年層は、常に自分たちの世代にあった新しいコミュニケーションサービスを求めている。前述したように、Instagramのストーリーズであったり、TikTokであったり、常に新しい居場所を探して動いており(自分たちがかつてそうであったように)あり、そういう層に新しいSNSとしてmixi2が発見され、仲間を引き込んでくれるかが大事かもしれない。(了)

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