〈生成AI時代〉人とAIが共創する新しい働き方
IT批評主催オンラインセミナー ディスカッションレポート(2)
テクノロジーの進化は次々に業務効率化を実現していくが、それが働く個人に還元されないのはなぜか。生成AI時代に働くことの常識をどうアップデートしていくのか。人とAIの協働のスタイルはどうあるべきか、議論は白熱した。
目次
人と人の間にAIが入ることでコミュニケーションを潤滑に
桐原 上司と部下のコミュニケーションには、少なからずハラスメントにつながる葛藤のリスクが潜んでいると思います。組織におけるAI活用という点で言えば、伝え方についてAIからアシストを受けるという使い方があってもいいなと思うのですが。
田村 似たような事例はありますね。カスタマーハラスメント対策としてどこかの企業さんがされているんですけれども、お客様が言ってきた内容をAIが柔らかいトーンに変換して、コールセンターの人に伝えるという工夫をされているらしくて。
桐原 AIがクッションの役目をはたすのですね。
田村 だいぶ効果があるそうです。人はクレームの内容に傷つくわけではなくて、言い方に傷つくわけなので、内容さえきちんと伝わるなら、マイルドなほうがいい。

小村 オペレーターの領域だと、1次対応をAIにやってもらって、その後を人が対応するかAIが対応するか分岐させていくやり方も注目されています。デモグラフィック(属性)で判断するべきではないとか、倫理の問題も孕んではいるのですが、相手によって音声の性別や年齢を変えるようなアプローチも今後新しい選択肢になってくる可能性を感じています。
馬場 AIの使い方としては、相対的に弱い人たちの味方になる使い方が十分検討されてほしいですね。たとえば、発達障害があってスケジュール管理が得意ではない人をAIが助けたりとか、あるいはコミュニケーションに課題を抱えている方に対して、AIが言い回しを伝えてあげるみたいなサポートをするとか。
桐原 人と人の間にAIが入ることで、何かを中和したり、潤滑にしたりしていくみたいなことですね。
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