台湾ITなう

IT批評
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爲廣曉雄氏の台湾ITレポート

グローバル化が急速に進展する日本のIT 産業を支えているのがIPO(International Procurement Office: 国際調達オフィス機能)である。日本だけでなく世界のIT 産業を支えるIPO のビジネスモデルについて、台湾から現役ビジネスマン爲廣氏のレポートをお届けする。

台湾に何があったか

私は台湾に住んで15年になります。

私が台湾に住み始めた頃は、世界のパソコン関連製品の70%以上の生産を台湾が担っていた時代でした。

45歳の年、あと15年、このまま日本の企業で60歳を迎え退職してゆく人生を考えたときに、急に日本を飛び出してみたくなり、米国のサンノゼへ行き最先端のコンピュータ関連の企業で働こうか、それとも世界のパソコンの生産で圧倒的シェアを誇る台湾に行こうかと真剣に考えました。

結局、パソコン製品が流通する台湾を選択しました。

そして昨年、その60歳という節目の歳を迎えてしまったわけですが、この15年、台湾にい

て、私はアジアの発展をより身近に見聞きし、感じ取ってきました。

最近、アジア圏の景気は急速に回復してきています。

とくに中国は世界の工場から世界の市場へと、その急速な発展ぶりはめざましく、日本が東京オリンピックと大阪万博によって発展した過程をフォローするように、北京オリンピックそして上海万博へと、中国もまた同じ軌跡をたどりつつあります。

 

台頭する中国工場

日本市場の量販店や法人販売会社が取り扱うパソコン関連製品のほとんどが現在、中国や台湾で生産されています。

もともとは台湾の工場で製造されていましたが、少しずつ労働コストが低い中国への工場移転が始まり、台湾企業でありながら工場は中国という企業が多くなりました。

その後、次第にローテクの製品から中国資本の工場ができはじめ、最近では台湾資本の中国工場と中国資本の中国工場が混在しているというのがIT産業の現状といえます。

 

ブランドメーカーと製造工場を結ぶIPOの存在

現在、日本へIT製品を供給しているのは中国と台湾であり、その橋渡しをしているビジネスモデルが、IPO(International ProcurementO­ce)と呼ばれる国際調達オフィス機能です。

台湾には、IPOがさまざまな分野でみられます。日本のIT産業は、このIPOのビジネスモデルに支えられているといっても過言ではないでしょう。

製造工場と日本のブランドメーカーの中間に入るのがIPOです。

IPOの機能にも単なる商社機能から開発型まで大きな差があり、従来は、NECや富士通などは台湾に現地法人を設立して台湾市場への自社製品の販売と調達をその役割とし、調達金額が大きな事業収入となっていました。ブランドメーカーの現地法人を国際調達オフィスと称していたわけです。

しかし、現地法人の人員数も限られているため、近年では独立系のIPOを使って調達力を補完しているのです。

台湾には米国やヨーロッパのIPOも多くあり、日夜、調達競争が繰り広げられています。IT産業の調達するアイテムは、パソコンの本体、周辺機器、サプライ商品、ソフトウエア、部品など多岐にわたっています。

最近では、パソコン以外のプラットフォームも増えてきて、それぞれのプラットフォームに対する周辺機器やサプライの調達も盛んです。新しいプラットフォームとは、たとえばアップル社のiPod、iPhone、iPad などで、これらも大きな市場を形成しています。

また、最近では、IT産業と家電産業が急激に接近しており、マルチメディアの分野では、パソコンとテレビを結ぶ周辺機器やサプライの需要も多く、IT産業と家電産業にまたがるIPOの存在も必要となっています。

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